[HOME] [新着情報] [目次] [講座シロクマ] [シロクマinチャーチル] [フォトギャラリー] [玉手箱] [素材] [掲示板] |
|
しろくま、ホッキョクグマが歩く町、チャーチルの人達 (その八)アサバスカン・インディアン語族やエスキモーは、アメリカ大陸へ、そしてチャーチルへ 勝ち残る経営者の飽くなき新商品や新しい方法を追求する姿は、まるで狂気のようだ。しかし極北の冷酷な気象条件でも、そこへ飛び込み、新しい生き方を求めて繁栄(勝ち残り組)した草木や動物達と、会社などの経営とどんな違いがあるだろうか。 極北の冷酷な気象条件で、繁栄してきた動植物は、いかなる戦略を駆使してきたのであろうか。 新天地で子孫を残した先史時代の人たちも、家族を飢えから守るには、並々ならぬハンターの技を磨いてきたに違いない。壮烈な戦いに勝ったものだけが、ここにたどり着くことができた。安住する生き方の方がリスクは大きかった。 何を夢見てこんな極北へ移動してきたのだろうか?単なる飢えからの離脱だっただろうか。チャーチルのルーツを探ってみよう。 チャーチルの地図を見ると、線はなく、点がぽつんとあるだけだ。まさに陸の孤島だ。 最初にシベリアからベーリンジアを渡って北米へやってきたのは、ナ・デネ語を使う民族であった。極北から西海岸に分布が限られていたのは、大きな氷河に行く手を阻まれたからだ。もしかして充分な食料確保が出来たからかもしれない。 細石刃石器を使って、小動物を射止めていたことは確かだ。その後、内陸部へ移動していった人たちは、アサバスカン語族となる。さらに南に移った仲間に、ナ・デ語を喋るナバホ族やアパッチ族がいる。 ベーリンジアを渡ってきたもう一つのグループが、海に関わって過ごしてきたエスキモーである。彼らが渡ってきたのは、1万1−2千年前ころで、陸橋が海の底に沈む直前と言われている。 現在、エスキモーは、シベリヤ東北部、アラスカ半島、カナダ極北部、グリーンランドに広く分布し、海獣狩猟や漁労で暮らしている。彼らは、独特な海洋文化を形成してきた。エスキモーは、日本人とよく似ている。 エスキモーは、すべて海獣狩猟・漁労民族であると決めつけることは出来ない。 新田次郎著のアラスカ物語に出てくるエスキモーは, 森林の周りにいるカリブー(トナカイ)を追うエスキモーの話だ。この物語では、森林エスキモーと呼んでいる。チャーチルあたりでは、カリブーエスキモーと呼ぶ。氷の家(イグルー)に住むイメージだけでエスキモーを語るのはまちがいた。 一方、ナ・デニ族インディアン(Dene )も、獲物を求めてチャーチルへやってきて、エスキモーとの間に争いをもたらす。同じカリブーを追うハンター達が、仲の良い間柄であるわけがない。 彼らはどちらも犬ぞりを使ったが、ブライアンのそり作りと、今も基本的には同じである。 ”Hisa。そりをつくるのは、昔の作り方とおなじだよ。それが一番と分かったんだ”とブライアンはチャーチルの先住民からの教えを今に残している。彼の犬ぞりと違うところは、ほんの少しの金属製ボルトとナイロンロープを使っていることである。
講座 マンモスとホッキョクグマの耳や尾は同じ
(参考にした資料)『考古学が分かる、AERA Mook』『文化人類学を学ぶ人のために、世界思想社』『図説大百科 世界地理カナダ・北極、朝倉書店』『モンゴロイドの道・朝日選書』『モンゴロイドの地球・極北の旅人、東京大学出版会』『モンゴロイドの旅人・最初のアメリカ人、東京大学出版会』『地球温暖化の真実、ウエッジ選書』『アメリカの起源・B Fagan』『The Call of Disitant Mommoths,P Ward』『マンモス復活作戦、旺文社』『一万年の旅路、P Underwood』『アメリか先住民の精神世界』『民族の世界地図、文芸春秋』『世界地図から読む食の歴史 辻原康夫』『カナダ=エスキモー、本田勝一』『Alistair Cooke's America』『地上から消えた動物・ハヤカワ文庫』『北の狩猟民族とともに、関野吉晴』『極北のシベリア・福田正巳』『生命と地球の歴史・岩波新書』『絶滅巨大獣の百科・今泉忠明』『宇宙のゆらぎ 人生のフラクタル、天外伺朗・佐治晴夫』『20世紀のわすれもの、佐治晴夫』 予告.
しろくま、ホッキョクグマとエスキモー犬 (その一)襲われたエスキモー犬 しろくま、ホッキョクグマが歩く町、チャーチルの人達 (その九) 欧州人の到来とクリー・インディアン シロクマ写真撮影の規則/カナダ野生生物保護局 揺らぐ先住民のこころ なぜシロクマに魅せられたか? しろくま、ホッキョクグマは、好奇心のかたまり しろくま、ホッキョクグマと野生生物監督局 しろくま、ホッキョクグマと地球温暖化 シロクマ、ホッキョクグマの子ども、そしてその死 地球温暖化とやせ細るしろくま ブリザードとホアイトアウト(風速110メートル) ハンティング チャーチルの夏 最後のフロンティア、ブライアン・ラドーン 八頭の犬が、シロクマに食べられる。 チャーチルでのハロウイーン ニューヨーク・テロ(二〇〇一年)と危険なチャーチル |
|
(C)1997-2006,Hisa.