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講座六 しろくま、ホッキョクグマの毛は真っ白、そして最高の防寒着

シロクマの毛は、輝くような真っ白である。年中毛が白いので“白クマ ( White Bear ) ”、シロクマと呼ぶ。あるいは住んでいる地域を指して、ホッキョクグマ( Polar Bear )とも言う。

よく毛を見ると無色透明で、顕微鏡で見るとほかの動物とは違い、毛は空洞になっていて、先の詰まったストローのようだ。そのため空から赤外線カメラで撮影してもシロクマは写らない。

毛は陽光にあたると、光のせいで真珠色や象牙色にも見える。また季節によってはカビ、藻や土などが付着して汚れるので、黄色がかったり、薄緑、茶色や灰色がかったりする。動物園で見られる薄茶色のように見えるシロクマは、毛がコンクリートですれて、潰れたストローの中に汚れが入り込んだり、カビがはえてしまった状態と考えられる。

空洞のシロクマの毛こそ、寒さのなかにあっては、体温を保持する役目を果たす。その毛は長く15センチほどのつやつやした堅い上毛と、5センチくらいの密生した下毛の二層になっている。この構造のおかげで、太陽からたくさんの熱を体へ伝え、黒い色した地肌を暖めることができる。

そして下毛が体の熱を逃さない。また毛が水に濡れても、ストローのようなかたい上毛は、水が凍りつく前に簡単に水をふり払うことができる。雪が降り、何もかもが凍りつくようなチャーチルでは、絵に描いたようなまっ白な毛でおおわれたシロクマが見られる.

(C)1997-2006,Hisa.