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講座四 シロクマ(ホッキョクグマ)の首都は、チャーチル(マニトバ州、カナダ)

 アメリカ合衆国とカナダの国境にまたがる五大湖の北1200キロにチャーチルはある。北極圏まではまだ距離はあるが、安全にシロクマを見ることが出来る世界で唯一の場 所と言われる。

 そのため、10月から11月の初旬に掛けては、世界各国から一万人位のカメラマン、科学者や観光客がこの小さな町へ来る。

 10月の終わりには、日照時間が6−7時間位になり、温度も氷点下20℃以下になる。その頃、チャーチルの近くを流れているチャーチル川は、上流から大量な氷の固 まりを水と共に押し流してくる。

 寒さと北風が続くと、この辺りハドソン湾西岸一帯は、やがて氷で埋め尽くされる。塩分が薄い所では、最初に氷が張るが、溶けるのは遅く8月の初めまで待たなくてはならない。

 ハドソン湾で最初に氷が張るこのあたりでは、シロクマが氷にのってアザラシ狩りに早く出かけられる。氷が溶けると、シロクマはアザラシ狩りが出来なくなるので、遅く氷が溶けるチャーチルで陸に上がる。

 冬の訪れとともに、早く海が凍るチャーチルを目指して、飢えたシロクマが氷に乗るために何百頭も集まってくる。アザラシがいる海、氷が張りやすくするのに必要な真 水を供給するチャーチル川は、ここにシロクマの都市をつくった。

 

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