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講座十七   満潮と干潮、大潮と小潮


海では1日に2回、海水位が規則的に変化する。これは「干潮」と「満潮」と呼ばれる現象である。海を満たす莫大な水を動かす。

その差は時と場所よって変化をする。干満の差を生み出す力は、月や太陽などの天体と地球との位置関係が、地球の自転や公転によって変化することによって引き起こされる。チャーチルでは、その差は大きく6メートルを越す。


太陽は、月よりははるかに大きいが、太陽が地球におよぼす干満の力は月の半分にも及ばない。それに、地球が太陽を回る公転軌道は楕円形をしているため、太陽と地球の距離は一定でない。

また地球の自転軸が傾いているから、干満の差が大きい大潮でも月が地球より太陽に近いときと、遠い側にあるときでは干満の差が違う。このように様々な条件が重なり合って、1日の中でも満潮時の水位はまったく同じではなく、その差が大きくなると1日1回しか満潮が見られないこともある。

平らなツウンドラ地帯であるチャーチルで、月と地球の距離が近いときの満月は、驚くほど大きい。その時、何事が起こったかと宿の人にあわてて聴いたことがある。これも極北ならでの驚きである。


(大潮と小潮)

太陽=地球=月が1直線に並ぶ「満月』と、太陽=月=地球が一直線に並ぶ『新月』のときには、干満の差が一番大きくなり、大潮と呼ばれる。月の起潮力により増幅される。


太陽=月=地球を中心として直角に並ぶ『上弦』と『下弦』の月の時には、太陽の起潮力と月の起潮力は働く方向が違うので打ち消しあい、干満の差が最も小さくなるので『小潮』と呼ばれる。(参考資料:Newton、Newton Press)