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しろくま、ホッキョクグマが歩く町、チャーチルの人達
(その二)−しろくまの歩く町は、”民族のモザイク”− チャーチルには、英仏系の人は多い。それに、イタリア、ロシア系、ポルトガル、先住民などがいて”民族のモザイク”の様相を呈している。そして人口の半分以上が、イヌイットやインディアンなどの先住民で占められている。 住民ではないが 日本人、Hisaが一人いる。現地に人と接する時も、日本人を意識する。たった一人の日本人の印象が悪ければ、日本全体のイメージダウンにつながりかねない。 最初に来た時(1997年)、チャーチルの情報集めをウイニペッグでした。"チャーチルは、カナダとは違うよ。人の心は子供のようだよ"と何人もの人達が言っていた。確かに、チャーチルでは、日本ではもう忘れてしまったような親切にめぐり会える。友好的すいるほど、人なつっこい。ここに集まってくる外国人は誰もがそう感じている。極北という厳しい気候ならばこそかもしれない。 "でも、子供のような心と言うのには、子供の世界にあるようなつまらない噂話やねたみもあるっていうことだよ。人の付き合いかたにも注意しなければだめよ"と片目をつぶって進言する。これはどう捉えたらよいのか戸惑うところだ。 "あの人には、気を付けた方がいい”と言われたとき、忠告なのか、ねたみなのか判断しかねた。 噂話は早い"昨夜、レストランでムース(ヘラ鹿)のステーキ食べたでしょう。おいしかった?""スミスさんの家で行われたパーティ行ったでしょう゛。たしかに昨夜、誕生日パーティーに招かれていた。その言葉の裏には、”どうせ私は招かれなかったからね”という意味も含まれている。 自宅でのパーティ−に、突如しとして招かれることもよくある。結構遠慮するのだが、そのことがどうも間違えのようだ。そのためパーティ−では、ハプニングも起こる。隣の席で、ワインを飲んでいたご婦人に"こんばんは!盛況で楽しいですね。ところで今日の誕生日は一体だれのですか?"と聞く。"Hisa!今日、楽しい?良かったわね。私の誕生日パーティ−ですよ。この人私に主人のトムよ"なんてこともあった。こんなパーティーでは、私が覚えられなくても、参加者はみんな日本からの来客を覚えてしまう。 とにかく、道であった人にも"こんにちは"、とか手を振って挨拶をすることを忘れない。そのためか町の人はみんな知りあいだ。実は、町の人たちのほうが、私のことを良く知っているようだ。 "町の人がHisaのこと、言っていたわよ"。長い冬の小さな町では、たった一人の日本人に対して、噂の対象になるのは無理もない。ここは、まるでプライバシーなど無いのも同然だ。その代わり、誰でもが親切に手をさしのべてくれる。お節介までに。
"Hisa、"今日、空港で、3人の日本人を見かけたよ。たぶんプロのカメラマンだよ。重そうなカメラ機材持っていたから。ホテルはオーロラ・インだよ。会いに行ってきたら"。"Hisaのことホームページで読んだと言っていたよ" "Hisa! 電話よ"と宿の人が呼ぶ。 "私だって、旅人に過ぎないのだし、それに昼間の写真撮影で疲れているし・・・・"と思いながらも、返事はいつも"OKさ、今行くよ"。会ってみれば、何のことないレストランの英語のメニューも読める。ただここのカナダ人は、日本人なまりの英語は聞き難いという。 "英語がうまく通じない時には、身振り、手振りを使えば話は通じますよ。私なんか、いつも身振り手振りだから、あなたも大丈夫ですよ。がんばってください"と励ます。 * ブライアンは"イヌイット"と言ったり、"エスキモー"と言ったりする。町の人達も"クリー・インディアンはね"とか"クリーはね、デニーはね"とか、その時によって言い方が違う。 彼は、カナダ公園局に勤務していて、野生動物だけでなくカナダの民族の歴史についても詳しい。 "Hisa!チャーチルでは、エスキモーやインディアンという言葉を使っても差し支えないよ。もちろん、政治的には正しいとは言えないし、大きな町では使わないよう白人は意識しているようだね。"と、私の疑問に答をくれる。 大きな町では、先住民族は少数だから、そのため意識して、エスキモーとかインディアンという呼び方はしないのかも知れない。チャーチル以外でも小さな町では、昔からの呼び方をしているようだ。 "公式には、ファースト・ネイションズ(First Nations)と言うんだよ"と教えてくれる。 |
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(C)1997-2006,Hisa.